宇野昌磨選手が2016年グランプリシリーズ初戦で見事優勝しました。海外のフィギュアスケートファンも賞賛する圧巻の演技だったにも関わらず不満の声が…。なんと曲のウケが悪いんです。一体どうしてでしょうか?宇野選手の2016-17年使用曲を歌詞の和訳も含めてご紹介します。
目次
宇野昌磨2016-17シーズン使用曲
【ショートプログラム(SP)】
映画「ラヴェンダーの咲く庭で (Ladies in Lavender)」より「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー」作曲:ナイジェル・ヘス
この曲は2007-08シーズンで浅田真央選手がSPに使用していました。フィギュアスケートファンにも馴染みのある曲だと思います。ラベンダー色の衣装が印象的。
【フリースケーティング(FS)】
「ブエノスアイレス午前零時ほか」作曲:アストル・ピアソラ
プログラムは「ブエノスアイレス午前零時」+「ロコへのバラード(Balada para un loco)」という構成になっています。両曲ともアルゼンチンタンゴの革命家であり偉大な音楽家のアストル・ピアソラによって作曲されました。
ピアソラの曲はフィギュアスケートでもおなじみで「アディオス・ノニーノ」や「リベルタンゴ」などは過去に多くのスケーターが滑っていますが、宇野選手のFSの構成はなかなか渋めの選曲になっています。
【エキシビション(EX)】
「See You Again ft. Charlie Puth」作曲:ウィズ・カリファ
こちらは映画「ワイルド・スピードSKY MISSION」のテーマ曲。撮影中に亡くなった主演のポール・ウォーカーへの追悼歌として作られた切ない曲です。やわらかいメロディーですがラップ部分もあり、宇野選手の新たな一面が見られるかも??
宇野昌磨のFSの選曲に批判が相次ぐ
アメリカ大会では観客もテレビの前のファンも納得の素晴らしい演技を見せてくれた宇野昌磨選手。賞賛の声が多数寄せられる中、FSについて「演技はいいけど曲は好きではないという」批判の声が相次いでいます。
特に後半のボーカル部分が「耳障り」「歌詞が酷い」というんです。
詳しくは下の記事を読んでみてください。
そんなに酷い歌詞なんでしょうか?気になったので調べてみました。
フリースケーティング使用曲「ロコへのバラード」の歌詞
宇野選手はイタリア人歌手ミルバ(Milva)が歌う「ロコへのバラード」を使用しています。
宇野選手のプログラムに使われているのは曲の中盤と終盤のサビ部分です。
その部分を抜粋した歌詞と和訳がこちら↓
<歌詞>
Loco! Loco! Loco!
Cuando anochezca en tu porteña soledad,
por la ribera de tu sabana vendre
con un poema y un trombon
a desvelarte el corazon.
Loco! Loco! Loco!
Como un acrobata demente saltare,
sobre el abismo de tu escote hasta sentir
que enloqueci tu corazon de libertad...
--------------------------------
Quereme asi, piantao, piantao, piantao...
Trepate a esa ternura de locos que hay en mi,
ponete esa peluca de alondras, y vola!
Vola conmigo ya! Veni, vola, veni!
Quereme asi, piantao, piantao, piantao...
Abrite los amores que vamos a intentar
la magica locura total de revivir...
Veni, vola, veni! Trai-lai-lai-larara!
Viva! Viva! Viva!
Loca ella y loco yo...
Locos! Locos! Locos!
Loca ella y loco yo!
<和訳>
ロコ!ロコ!気狂いさ!
ブエノスアイレスに住む君の孤独に夜の帳が降りる時
俺は君のシーツの岸辺にやって来る
ひとつの詩とトロンボーンを携えて
君の心を眠らせはしないロコ!ロコ!気狂いさ!
頭のおかしな軽業師みたいに
胸の深い谷間で飛び跳ねよう
解き放たれた君の心が狂い出すのを感じるまで
さあ、ごらんよ!
こんなにもイカれた、イカれきった俺を愛してくれ
俺のこの狂った愛の高みへ行って
ヒバリの羽をかぶるんだ「飛び上がれ!」
「俺と飛ぶんだ!」「おいで、飛べよ、おいで!」こんなにもイカれた、イカれきった俺を愛してくれ
愛を解き放って、ロコの魔法を
すっかり目覚めさせてやろうぜ
「おいで、飛べよ、おいで!ラリラ、ラララ、ハハハハハ!」(最後の叫びの部分)
彼はロコ!私もロコ!
みんな!世界中みんな、みんなロコよ!
全世界はロコ!
彼はロコ!私もロコよ!引用:http://hanekakusi.web.fc2.com/uta10.html
スペイン語で「Loco」は気が狂った男、「Loca」は気が狂った女(ぶっ飛んじゃってる)という意味です。
演技のクライマックスで「世界中がクレイジー!ハハハ~」と叫びまくっているんですね。
情熱的なアルゼンチンタンゴの歌詞なので驚きませんが欧米ではスペイン語が分かる人が多いでしょうからなかなかのインパクトでしょう。
しかもミルバの歌唱力も相まって音楽がものすごい主張してくるのは確かです(ヘタしたらスケーター以上に目立つ)。
公共の電波でも批判される
スケートアメリカの試合中継をしていたユーロスポーツのイギリス人解説者たちまでもが個人的な意見として「この選曲はあまり良くない」と言っていました(海外の解説は本音や私情をぶち込んできます)。
彼らは曰くこの曲は「ダークで危険な雰囲気があるし、感情的なパートが長すぎて演じるのが難しい」とのことです。
目が肥えている彼らがそう言うのならこの選曲は競技には向いていない、またはハードルがめちゃめちゃ高いのかもしれません。
それに宇野選手はまだまだ大人の階段上り中の18歳ですから、彼の表現力の高さをもってしても曲の渋さとの間にギャップを感じるのかも。
とは言え今はオリンピックの前の最後のシーズン。そういった批判も承知の上で、コーチ陣は宇野選手に経験値を上げて欲しいと願っているんじゃないでしょうか。
シーズン後半には「この音楽じゃないとダメだ!」と言われるくらいに迫力を増した宇野選手の滑りが見れることを期待しています。