フィギュアスケート

ケイトリン・オズモンド覚醒で爆上げ?なぜ急に強くなったのか?ケガから復帰の裏に…

2017年2月15日

カナダフィギュアスケーターのケイトリン・オズモンド選手にとって2016-17シーズンはすばらしいシーズンでしょう。長年ケガで苦しみ続け、ようやく光が差したと思ったとたん、一躍世界のトップクラススケーターの仲間入りを果たしているんですから、世界中もビックリです。ケイトリン・オズモンド選手はなぜそんなに強くなったんでしょうか?

ケイトリン・オズモンド(女子シングルフィギュアスケーター)

http://www.tsn.ca

名前:ケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond)

代表国:カナダ

誕生日:1995年12月5日

出生地:ニューファンドランド・ラブラドール州マリーズタウン

身長:165cm

体重:55kg

コーチ:ラビ・ワリア

所属クラブ:Ice Palace FSC

ISU自己ベストスコア:SP75.54、FS136.91、トータル212.45(全て2016年GPファイナル)

引用:Wikipedia

主な戦績

  • 2011-12シーズン カナダ選手権3位、世界ジュニア10位(初出場)
  • 2012-13シーズン GPSスケートカナダ優勝、カナダ選手権優勝、世界選手権8位(初出場)
  • 2013-14シーズン カナダ選手権2連覇、ソチオリンピック団体銀メダル・個人13位
  • 2015-16シーズン GPSスケートカナダ11位、カナダ選手権3位
  • 2016-17シーズン(2/15時点) GPSスケートカナダ銀メダル、GPS中国杯銀メダル、グランプリファイナル4位(初出場)、カナダ選手権優勝

ケイトリン・オズモンド選手とっても美人ですよね。私も以前からかわいくてお気に入りの選手でした。

カナダでは彼女の容姿はもちろん、バンクーバー五輪銅メダリストを獲得したジョアニー・ロシェットに続く期待の若手としてジュニア時代から注目されている選手です。

しかし、シニア2年目から不運が重なりなかなか思うような成績が残せずにいました。

ケガに苦しんだケイトリン・オズモンド

ケイトリン・オズモンド選手は女子選手として脂が乗る時期である10代後半に度重なるケガに悩まされてきました。

2013年 ストレス性の左足のケガを治療したのちGSスケートカナダに出場するも、SP後に古傷の痛みが再発。FS棄権。その後ハムストリングのケガによりGSステレコム杯欠場

2014年 振付中に他のスケーターの靴にエッジを引っ掛けて転倒し右足の腓骨骨折そして手術。2014-15シーズンは全試合欠場

その他、足の捻挫や股関節の痛みなど。

2015-16シーズンにリンクに戻ってきてくれてファンはホッと胸を撫で下ろしたことでしょう。しかし翌シーズンにはさらにファンを喜ばせる事態が待ち構えていました。

ケイトリン・オズモンドが覚醒!

ジュニア時代から頭角を表していたケイトリン・オズモンド選手でしたが、国内大会ですばらしい成績を残す反面、とりわけ大きな国際大会ではなかなか成績を伸ばせませんでした。

しかし2016-17シーズンの戦績をご覧ください。グランプリシリーズ2戦ともに準優勝、そしてグランプリファイナルでは初出場で4位とすばらしい結果です。

そしてカナダ選手権3シーズンぶりの優勝ではショートプログラム81.01というオバケのような記録を叩き出しています。もちろん国内大会なのでISU非公認記録ですし、ご祝儀盛り盛りのスコアではありますが、出来栄えはすばらしいものでした。

オズモンド選手SP使用曲:エディット・ピアフ「パリの空の下」「ミロール」はこちら

ケガが回復したことが大きいとは言え、1年でここまでのステップアップは専門家でさえもなかなか予想できなかったんじゃないでしょうか。

なぜ彼女は大躍進できたんでしょう?

ケイトリン・オズモンド強さの秘密―なにが変わった?

変わったことといえばまず安定感が増したことです。

2016-17シーズン以前のオズモンド選手は演技に不安定なところがあり、一度転倒するとそれを引きずりまた・・・というようなことがけっこうありました。ですが今シーズンは、たとえミスをしてもそれを引きずることがなくなったように感じます。

そこで気になるのは、なぜ安定感が増したか?ということですよね。

それにはやはりケガの経験が深く関係しているようです。

カナダのメディア「the telegram.」が2017カナダ選手権を前にオズモンド選手の特集記事を掲載誌ました。そこにはケガを負ってからの変化が記されていました。

①ケガをしない体づくり

オズモンド選手はケガを負ったことで「ケガをせずに自分の思うように動ける体の仕組み」を学んだようです。

そして現在、彼女が行っているトレーニングはケガを避けることに重点をおいて組み立てられています。

理学療法、マッサージセラピー、オフアイスでのパワートレーニング、そして氷上練習の度に適切なウォーミングアップとクールダウン。そういった体をケアするプログラムが日々のトレーニングの大部分を占めているそうです。

②ジャンプの改善

そしてジャンプも見直しました。

彼女はもともと豪快なジャンプが特徴でした。ですが以前は豪快すぎるというか、恵まれた体格と身体能力が優れているがゆえにジャンプも力任なところがあり、軸が曲がっても筋力で踏ん張って降りるような”ゴリゴリ系”ジャンプ。そのため転倒も衝撃を逃がすことのない豪快な転倒で、素人目に見ても「ケガをするのでは」とヒヤヒヤさせられるものでした。

ですが、今は空中の回転をうまくコントロールし、そして体に大きな衝撃を与える厄介な着地を防ぐために、飛び上がる力を抑えるようになったそうです。

文字では伝えづらいので動画で見比べてみてください。

こちらは2013年の世界選手権FPカルメンです。

ジャンプは勢いがあるんですが、軸がグラついて転倒しているところもあるし(しかも痛そう)、着氷後に流れが止まってしまうジャンプもあります。そして着氷ギリギリまで回っているような感じです。

 

そして2016年グランプリファイナルFSラ・ボエームより

一番変わったのは着氷後の流れがスムーズになったことじゃなでしょうか?スーッと流れるということは無駄な力がかかっていないということですよね。そして飛び上がる力を抜いたのにジャンプがより高くなって余裕を持って回りきっているように見えます。

③メンタルの変化

ようやくケガから復帰した2015-16シーズンでしたが調子は上がりませんでした。そこで彼女はケガの治療の間に自信さえ失っていたことに気づきました。

試合に出ていてもまるで自分が滑っていないような感覚だったそうです。

そこで彼女はスポーツ心理学者とともに心をケアにつとめた結果、だんだんとモチベーションが上がり再びハードなトレーニングができるようになりました。

現在は「”ケガを乗り越えて戻ってきたこと”そして”シーズンオフからたくさんの努力を続けてきたこと”を自信に変え、そんなポジティブな姿を人々に見せられるようにいつも自信を持ち続けている」とオズモンド選手は語ります。

さらにはカナダのレジェンドであるカート・ブラウニング氏や元全米チャンピオンのジョニー・ウィアー氏など大物から演技を高評価されたことも彼女のモチベーションを上げている要因でしょう。

オズモンド選手のポジティブな気持ちが周りの心を動かし、それがまた本人の自信につながっているんですね。

点数盛りすぎの声も…

ケイトリン・オズモンド選手の快進撃にスケートファンからは「ちょっと点数出すぎじゃないか?」という声も上がっています。

確かに、GSスケートカナダや、カナダの国内大会など自国の大会は盛られる傾向にあるので、そこはある意味”通常”だといえます。

ですが、グランプリファイナルなんかは私も「高!」って言っちゃいました。

でも、技術的には元々スケーティングもスピンも上手なのでレベル4+加点取れるし、ジャンプはあの通り高さも流れもあるし、技と技の繋ぎが緻密で”小技のオンパレード”なプログラムをこなせるし。

そして表現面では何と言っても曲の世界観を醸し出すのが上手いですよね。

以前から音楽的なセンスの良さは評価されていましが、繋ぎもダンスも勢いまかせ?なところもあってバタバタと落ち着きがない感じもありました。

ですが、2016-17シーズンからはジャンプ同様プログラムの初めから終わりまでいい意味で力が抜けてそれによって緩急もつき、演技がグンっと洗練された印象です。力強さとかわいらしさと妖艶さを同時に表現できる彼女だからこそエディット・ピアフのようなプログラムがこなせるのではないでしょうか。

そう考えると点数高いのも納得ですが、でもミスしても点数が高いのはやっぱり不自然なのか??

う~ん、フィギュアスケートの採点は難しい。。。

 

ともかく、これからという時期のケガと復帰後のスランプは想像を絶する苦しみだったとおもいます。相当なプレッシャーのなか、諦めずに戻って来たことだけでもものすごい強い女性だなぁと尊敬します。

点数のことはよく分かりませんが、こんな彼女だからこそ、遅かれ早かれトップクラスのスケーターに成り上がるのは必然だったのではと思わずにいられません。
2016-17シーズン最後までケイトリン・オズモンド選手にとってすばらしいシーズンになるといいですね(日本勢の手強いライバルが増えてしまいますが)。
応援しています!!すてきな笑顔、たくさん見せてください!!

 

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