2021年6月1日に行われたバレーボール女子セルビア代表VSタイ代表の試合中に、セルビアの選手、サニャ・ジュルジェビッチがアジア人蔑視とされる「つり目ポーズ」をしていたことが問題となり、同選手は今後2試合の出場停止と罰金処分をうけました。これに対して海外の人々の反応は?
つり目ポーズのセルビア女子バレー選手が出場停止&罰金処分
女子バレーボール国際試合のセルビア対タイ戦で、指でまぶたを引っ張る「つり目」のしぐさがカメラに捉えられたセルビア人選手について、国際バレーボール連盟(FIVB)の関連団体は8日、出場停止2試合の処分を下した。
つり目のしぐさはアジア系の人をあざける人種差別的なジェスチャーとなっている。
FIVBの規律パネル小委員会の声明によると、サニャ・ジュルジェビッチ選手は6月1日、イタリアで行われた試合の最中に、バレーボール界の規律を定めた規則に違反する行為を取った。
同パネルは選手の出場停止に加え、セルビアのバレーボール連盟に米ドル換算で2万2000ドル(約240万円)相当の罰金を科した。同パネルによると、FIVBは差別対策の取り組みや、文化的配慮に関する教育プログラムに罰金を寄付する方針。
ジュルジェビッチ選手はSNSのアカウントで、「自分の過ちを認識している。試合直後にタイの選手全員に謝罪した」と説明。そのうえで「私はただ、チームメートに『彼女たちのように守備をやろう』と伝えたかっただけ。敬意に欠けた行動を取るつもりはなかった」とした。その後、アカウントは削除されている。
セルビアのバレーボール連盟もフェイスブックに火消しを図るメッセージを投稿し、タイ代表チームに「心から謝罪する」と説明。一方で、「あまり大げさに扱わないでほしい。サニャは過ちを自覚しており、直後にタイ代表チームに謝った」とも述べた。謝罪文にはタイ選手の1人が投稿した動画や、両チームの選手が一緒に立っている写真も添付されていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f13388faa2f3b14164de0c8b19551ac1fbb29a24
Was it uncalled for? Yes. Was it a racist gesture? Yes. What we argue is that there was no intention or malice. This young girl didn't grasp the weight of the gesture. It is unacceptable, we agree. But our girls are no racist by any means. We sincerely apologize to all affected. pic.twitter.com/pFnfJPeMjs
— OSSRB (@ossrb) June 1, 2021
<セルビアバレーボール連盟>
「(この行為が)不必要でしたか?はい。それは人種差別的なジェスチャーでしたか?はい。我々が主張するのは、そこには意図や悪意がなかったということです。この若い少女はジェスチャーの重みを理解していませんでした。それは受け入れられることではない。その点は我々も同意します。ですが、我々の少女は全くもってレイシストではありません。影響を及ぼしてしまった全ての方々に、心からお詫び申し上げます。」
セルビア女子バレーのつり目ポーズには前科が
セルビアバレーボール連盟はサニャ・ジュルジェビッチ選手の一件を差別行為と認めつつ、彼女に悪意はなかったとちょっと苦しい弁明をしていますが、実はセルビアの女子バレーボール代表チームのつり目ポーズ騒動はこれが初めてではありません。
⚠️Serbian volleyball players notorious for making racist #AntiAsian gestures.⚠️ @volleyballworld you have some EASY work to do. Remove Team Serbian @ossrb from the 2021 VNL tournament. #StopAsianHate #Serbia #VolleyballNationsLeague (More action steps in replies) 👇🏽 pic.twitter.com/uG97i76Efp
— Du (@TheDouTube) June 2, 2021
左の写真はサニャ・ジュルジェビッチ選手のつり目ポーズ。そして右側の写真は2018年の世界選手権予選を突破し、本戦の東京大会に出場を決めたセルビア女子バレーボール代表の歓喜ショットです。チームのほぼ全員でつり目ポーズ。明らかに日本を意識しています。
この一件で国際バレーボール連盟は「写真は、文化的配慮に欠けたものだった。行為は黙認しておらず、セルビアの連盟と連携して選手たちがこのような行為をしないように指導していく」というコメントを発表しています。
つまり、セルビア連盟はわずか3年前に同じ問題を起こしており、それに対し何も対策してこなかったということが分かります。
サニャ・ジュルジェビッチのつり目ポーズとセルビア連盟に対する海外の反応は?
サニャ・ジュルジェビッチ選手の行為を不快に思った人も少なくないと思います。
では、海外の人々はサニャ・ジュルジェビッチ選手のつり目ポーズやセルビア連盟の対応にどのように反応したのでしょうか?
ツイッターのコメントを抜粋・翻訳してご紹介します。
・サニャに罰が必要なの?私のイメージでは、アジア人は誰も気にしていないと思う。私たちオリエンタルはすでに人種差別に慣れているから。彼女は人種差別するつもりがなかったんだから悪くないよ。気にしないで。(中近東系?)
・10年前のコメディアンは今日、恥ずかしそうに刑務所に入れられるだろうね。(スペイン語圏)
・サニャ・ジュルジェビッチ選手は楽しそうに見えたけど、タイ選手のアーモンドアイをマネしたことでかなりのコストが掛かったね(イタリア)
・無礼に見えたよ。彼女がそんなつもりはなかったといったところで、彼女の行動は変わらないよ。「自分を特別だと思っている人々」は、いつになったら事件を起こす前に考えだすようになるの?(国籍不明)
・純粋に、単純にサニャ・ジュルジェビッチ選手はレイシストだよ。ソレは偶然ではなく「判断の誤り」でもなかった。彼女が自分が何をしているのか、そしsてその行為の持つ重要性を理解していた。(アフリカ系)
・サニャ・ジュルジェビッチ選手には永久にバレーボールをプレーさせてはいけない。彼女の行動は明らかに彼女が低脳だということ示しているね!!多分彼女の家族も同じだろうね…笑(アジア系アメリカ人)
・セルビア人は基本的に行いが悪いよ。とても失礼なんだ。以前行ったことがあるけど。(かつて日本在住の外国人)
・この時だけレイシストだったの?それともいつもレイシスト?(インド)
・誇張して騒ぎすぎ(オランダ)
>・それな…なんで彼女がそれほど大げさに人種差別主義者として扱われるのか。(オランダ)
・質問:彼女はどれぐらい目を引っ張って指で角度を付けたのだろう?(オランダ)
・だから何?ガキっぽいかって?YES
人種差別?NO(オランダ)
・(処分に対して)いいね(国籍不明)
・彼女は人種差別主義者だ!!オリンピック参加禁止!!(タイ)
・スポーツ選手はスポーツマンシップに則ってプレーしないと(インド)
・まぁーーーーたレイシストだよ(香港系カナダ人)
・タイのパタヤにいる時、俺はいつもそのジェスチャーをするぞ。でもソイ6(場所名)で若い女の子と✕✕するんだけどね。ハハハ(国籍不明)
・アジア人の特徴を指摘することがレイシストになるの?彼女の行為はとくに良いとは思わないけど、なぜ罰金?もし私がアジア人だったらあまり気にしなかっただろうし、アジア人のハーフのわが子たちは気にするべきなの?そうは思わない。(国籍不明)
・彼女らは罪を繰り返しているわ!世界はセルビアバレーボールチームが他人種に敬意を持って共存することを学ぶまで、他国と対戦させる必要があるわ。サニャ・ジュルジェビッチ選手は安っぽい芸をしたわね!彼女は永久追放すべき!コートで二度とに見たくないから!はい、終わり!(アジア系)
・今のセルビア政府のもとで人種差別が可能になっていることに驚かない自分っていったい。(ボスニア生まれアメリカ在住)
・選手の一人が差別的な吊り目ジェスチャーを行った後のセルビアバレーボール連盟の声明…。このゴミみたいな奴らにはF✕✕K YOUという言葉でも不十分だ。(白人系)
これはごく一部の海外の反応です。実際にセルビア連盟の弁明ツイートにはアジア人を中心に500件以上のリプライがありました。ただし、この件に関するニュースツイートへのリプライ数はあまり多くなかったので、この件はアジア人以外にはさほほど問題視されていない(というか話題にもなっていない?)のかな?という温度を感じました。
ちなみにオランダ人の反応にちょっと違和感を抱いた人もいるかもしれませんが、たまたまオランダのニュースツイートにリプライが多かっただけなので、意図的にオランダ人のコメントを多く掲載しているわけではありません。
海外の人でも反応はさまざまですね。アジア系や有色人種の人は不快に感じている印象ですが、白人に分類される人たちからすると、騒ぎすぎだと感じたり、そもそも差別の意図はないと主張する人もいます。そして同時に、人種差別は許されないと主張する人もいます。
同じ身体的区別でも、黒く肌を塗るのはNGで、目を細めるのはOKという基準こそが人種差別に感じてしまうのですが…。いずれにせよ、見た目が違うというだけで露骨に人種差別行為を行う人は、教養が無いのでしょう。