フギュアスケートの浅田真央選手が2014年世界選手権以降初めてジャパン・オープンで国際大会に復帰!進化したと思わせる3アクセルと表現力で他を圧倒しましたね。
ソチオリンピックの衝撃のフリースケーティングプログラムの後「ハーフ・ハーフ」という言葉を残し休養に入った浅田真央選手。復帰会見の時は日本国中が歓喜しましたね。浅田真央選手の最新プログラムの気になる内容をチェックしてみました。
目次
浅田真央選手ついに復帰!2015年のプログラムと気になる振付師は?
浅田真央選手の復帰第一弾に選ばれたプログラムはこちら。
2015-2016シーズン使用曲
ショートプログラム 「素敵なあなた」
フリースケーティング 「蝶々夫人(マダムバタフライ)」
エキシビション 「踊るリッツの夜」
全曲振付け:ローリー・ニコル
超一流振付師ローリー・ニコル
浅田選手とローリー・ニコル(中央)とカロリーナ・コストナー
http://instagify.com/user/xjp_yellowheart/
この振付師のローリー・ニコルさんはこれまでにも浅田真央選手のプログラムを多数振付けしています。ソチオリンピックのショートプログラム「ノクターン」や「愛の夢」は浅田選手の有名なプログラムですよね。
天才スケート少女と騒がれはじめた時代、浅田真央選手は可愛らしいプログラムを得意としていました。そんな彼女とローリー・ニコルは「くるみ割り人形」で初めてタッグを組みます。その翌年の「ノクターン(2006年バージョン)」では積極的に大人の表現を取り入れたローリー・ニコルは浅田真央に現在に通じる表現力を身に付けるきっかけを与えました。
他にもローリー・ニコルは、ソチオリンピック銅メダリストのカロリーナ・コストナーや長野オリンピック銀メダリストのミシェル・クワンなど表現力に秀でた選手の振り付けを数多くしています。(私はカロリーナ・コストナーのボレロが大好きです^^)
ちなみにミシェル・クワンに初めてローリー・ニコルが振付た「サロメ」というプログラムでは、それまで可愛らしい女の子だったミシェル・クワンの大人の魅力を開花させ世界女王に輝かせました。これによってローリー・ニコルそして振付師という存在が一気に注目されることになったそうです。
ローリー・ニコルの振付は復帰シーズンにピッタリ
浅田選手とタラソワhttp://think58.exblog.jp/
浅田真央選手の振付師といえばローリー・ニコルとタチアナ・タラソワです。
タラソワはソチオリンピックのフリー「ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)」やバンクーバーオリンピックの「鐘(ラフマニノフ)」「白鳥の湖」などキレキレで攻めるプログラムが得意というイメージを持っています。一方、ローリー・ニコルの方は女性的なしなやかなプログラムが得意です。
賛否両論ありますが(とくにタラソワ)、私は二人共魅力的な振付師だと思います。
しかし、今シーズンはローリー・ニコルがベストな選択だと思います。
タラソワのプログラムは浅田真央選手の代名詞的なプログラムが多いです。何故かと言うと、構成が激ムズでジャンプ以外でも浅田選手にしかできないような要素を盛り込んでいる、まさにおせち料理のようにあれもこれも手を抜かないプログラムだからです。
観客からすると他の選手と別次元の競技のように見えとても印象に残ります。私もタラソワの激ムズプログラムを滑れちゃう浅田選手が大好きなんですが、復帰早々には流石にきついですよね。
一方のローリー・ニコルは浅田選手に高いハードルを超えさせるのではなく、彼女が現状持ちうる技術を十分にアピールしつつ、スケーティングの美しさや彼女自身の魅力を引き出すことに重きを置いている感じがします。
浅田真央選手自身も、復帰を決めた際にこれからは自分の年令だから表現できるスケートをしたいというようなことを言っているので、ローリー・ニコルの振付との相性は更にいい方向へ向かっていくのではないでしょうか。
ショートプログラムはジャズの名曲「素敵なあなた」
浅田真央選手が2015年シーズンに選んだのはジャズのスタンダードナンバー「素敵なあなた」です。下は1937年にアメリカでヒットしたアンドリュー・シスターズのバージョンです。とってもおっしゃれ~な曲ですよね。
ムードのある大人な曲ですね。浅田選手はこれまでも大人な振付にたくさん挑戦してきていますが、この曲は身も心も本当に大人じゃないと表現できないようなナンバーですね。なんとなく「大人っぽく」では曲に負けてしまいそうです。
浅田真央選手は大人の自分という目標を立てて試合のリンクに戻ってきました。この選曲はまさに彼女の決意を表しているような気がします。
ちなみに今シーズンの世界選手権はアメリカのボストンで開催されるので、会場ウケを意識してジャズナンバーにしたのではないかという噂も。
フリースケーティングはオペラ「蝶々夫人」
こちらも超有名なプッチーニのオペラですよね。日本人が主人公、舞台は長崎、まさにクールジャパンです。
「蝶々夫人」はアメリカ人と恋に落ちた主人公の芸者、蝶々さんが愛に生きて死ぬまでの甘く切ない物語です。
蝶々夫人の代名詞的な曲がこれですよね。
「ある晴れた日に/三浦環」
ちなみに、歌っている三浦環さんは戦前から活躍されていたオペラ歌手で、日本人で始めて世界に名を知られた方です。蝶々夫人は彼女の代表作です。三浦環さんは幼い頃から日本舞踊もやっておられたので、他の欧州の歌手とは一線を画した美しい蝶々夫人だったそうですよ。
浅田真央選手も、日本人の心で、主人公「蝶々さん」の悲しみや恋心を表現して欲しいですね。
この蝶々夫人ですが、日本女子フィギュアスケーターには人気のプログラムです。荒川静香さん、安藤美姫さん、太田由希奈さん、本田真凜選手などが滑っています。また、日系アメリカ人のクリスティ・ヤマグチさんも滑っていて、特にヤマグチさんの蝶々夫人は衣装も含め彼女のキャリアの中で最高のプログラムと賞賛する人も多いようです。
蝶々夫人/クリスティ・ヤマグチ
本当に美しいですよね。かなり着物を意識した衣装も素敵です。
浅田選手も「蝶々夫人」は日本人としてやってみたかったプログラムと語っています。それにしてもなんでこのタイミングなのでしょうか?
ちなみに、浅田選手は昨シーズンの長期休養中に京都に訪れて舞妓さんに返信したり、日本各地を訪れて人々とふれあっていましたね。きっとその時に日本人の魅力、日本という国の素晴らしさを肌で感じることが多々あったと思います。そんな彼女が復帰第一弾で日本的な作品を選んだのは「今だからやりたい」という特別な思い入れががあったのではないかな~と想像しました。
もちろん、彼女の選手生活は4年ぐらいしか残っていない(本人談)ので、その時にやりたいことを一つ一つ全力でやり抜きたいという願いもあると思います。
http://nonnopage.blog.fc2.com/
真央ちゃんの舞妓姿、本当に美しいです。艶やかです。本物の舞妓さんに何度かお会いしたことがありますが、その方々の美しさに負けず劣らない気品と美しさです。彼女がこれまでの蝶々夫人の歴史を塗り替えてくれることを期待したいです。
そういえば、羽生結弦選手の今シーズンのフリースケーティングは陰陽師安倍晴明がテーマの「SEIMEI」ですよね。日本の男女のトップスケーターが共に和風プログラムをするのも珍しいですよね。ふたりとも試合のプログラムで和風に挑むのは初ということです。羽生選手はアクシデントや手術を乗り越え、一方の浅田選手は、選手生活リスタートとして迎える今シーズンだからこそこれまでと趣向を変えてきたのかもしれませんね。世界選手権で和風な二人が表彰台の頂点に上がっていたら嬉しいですよね^^
エキシビション「踊るリッツの夜」を楽しむ方法
浅田真央選手の2015年シーズンのエキシビションは「踊るリッツの夜」です。これは1900年代半ばに活躍した世界的映画スターフレッド・アステアのダンスナンバーです。
この曲も「素敵なあなた」のようにシックで大人な雰囲気ですね。それに遊び心がプラスされた感じです。
浅田選手のシルクハットと燕尾服の衣装が印象的なこのプログラムですが、実はこれ、フレッド・アステアを再現したものなんです。
こんな動画を発見しました。
20150819 MA 「踊るリッツの夜」 ~ フレッド・アステアと共演!
アステアの仕草をかなり意識していますよね。ちょっとおどけた雰囲気も表現していると思います。それに女性ならではの口紅をつけるなどのアレンジを加えていますね。フレッド・アステアの「踊るリッツの夜」を見るとこのプログラムを倍楽しめますよ。
浅田選手はエキシビションでシンデレラをやりたかったそうです。それはそれで見てみたいですけど今シーズンはかっこいい真央ちゃんで私達を楽しませて欲しいな~と思います。
浅田選手に取って実り多い復帰シーズンになりますように・・・