日本男子フィギュアスケートの次世代を担っていく一人が山本草太選手。「羽生2世」「ポスト羽生」というキャッチフレーズが付いている彼と羽生結弦選手には実際にどんな共通点があるんでしょうか?また次世代エース筆頭の宇野昌磨選手との違いはなんでしょうか?
目次
山本草太と羽生結弦の共通点は?
山本草太選手は2014年ジュニアグランプリファイナル2位、2015年世界ジュニア選手権3位という好成績を収め、現在日本男子ジュニアのエースとして活躍しています。
メディアなどで山本選手が紹介されるときに決まってついてくる枕詞は「羽生2世」「ポスト羽生」など羽生結弦選手の後継者を表す言葉です。では二人に共通することってなんなんでしょうか?
その①見た目が似ている
何となくお気づきとは思いますが、一つ目の共通点は二人のルックス・容姿です。
笑うとなくなる一重の細い目や塩系の顔立ちはどことなく似ています。それに小顔でスラっと細い体型も似ていますよね。こんな感じ↓で同じような衣装で並ばれたら欧米人は見分けがつかない?
とはいえ、容姿だけではそう簡単に2世とは呼ばれないでしょう。なにせ相手は無双の世界王者ですからね。
その②ジャンプの跳び方
実は二人にはスケート技術にも共通点があるんです。山本選手は羽生選手のように高くて幅のあるジャンプを跳ぶことができます。羽生選手のように洗練されたジャンプとはいきませんが、15歳にしてトリプルアクセルや4回転トゥループを跳ぶことができます。山本選手はジャンプに関しては天才肌だと自負しています。
その③滑らかなスケーティング
そして山本選手はジュニアの中でもピカイチのスピードのある滑らかなスケーティングができます。スケーティングの上手さは全ての要素の基本になりますし、山本選手のダイナミックなジャンプにもつながっています。
その④スピン
羽生選手の代名詞といえば柔軟性を活かしたビールマンスピンです。山本選手はビールマンスピンはしないもののスピンが非常に上手で安定してレベル4を取れる選手です。
ということで二人の技術的な共通点も簡単に上げてみました。両選手とも全要素をしっかりとこなせるオールラウンダーという印象ですね。
オールラウンダーの究極とも言える羽生選手は現在圧倒的な強さを見せているわけですが、山本草太選手も技術・体ともに成長すれば羽生結弦選手のように世界を圧倒するポテンシャルを秘めているはずです。
羽生結弦に憧れ続ける山本草太
周りから比較されるだけではなく山本草太選手は幼い頃からずっと羽生選手に憧れ、羽生選手を目標として日々練習しています。
2009年に当時ジュニアだった羽生選手が全日本選手権に出場した時、会場があった大阪に住んでいた山本選手はフラワーボーイとして大会に参加していました。その時に見た羽生選手の演技に魅了されて以来、山本選手は羽生選手に強く憧れを抱くようになりました。
憧れて衣裳も似せる
山本選手は羽生選手に憧れを抱くばかりに衣装も羽生選手を意識して作っています。
かなり似ていますね。
そして山本選手のスゴイところは羽生選手と自分を重ね合わせて羽生選手がクリアしてきたことを同じ年齢・時期にクリアするという目標を立てて競技に挑んでいるところです。例えば羽生選手が中3でトリプルアクセルをプログラムに組み込んでいるから中3の自分も同じようプログラムに入れる。という感じで羽生選手と同じように成長できるように努力しています。
いくら憧れと言っても相手は史上最強の世界王者です。そんな人に本気で食らいついていく姿勢だけでもそうとうな覚悟を感じます。
そして羽生選手だけでなくシニアのトップレベルの選手たちを参考にして金メダルへのステップを逆算して実践しているのが山本選手の賢いところです。
おそらく2022年のオリンピックで金メダルを狙っているだろう山本選手は2018年の平昌オリンピック出場を目標にしています。そのためには2016-17シーズンでシニアに参戦して好成績を残す。そして翌シーズンにも好調を維持して五輪代表に選出される必要がある。そのためには2016年の世界ジュニアで優勝しないといけない(歴代の日本男子五輪出場者は町田樹さん以外みんなタイトルを獲っているため)。
というように全てを五輪金メダルのための道のりと捉えて他の選手を参考に計画を立てているんです。
次世代エース筆頭の宇野昌磨との違いは?
山本選手が羽生2世である根拠を並べてきましたが、羽生選手の次にエースとして真っ先に名前が上がるのはおそらく宇野昌磨選手だと思います。
では何故宇野選手ではなく山本選手が羽生選手の後継者と考えられているんでしょうか?
宇野選手も山本選手も世界のトップに君臨するためのポテンシャルを十分に持った選手です。しかし二人のスケートのスタイルは少し異なります。
山本選手が羽生選手のようにオールラウンダーを極める選手だとするなら、宇野選手は本人も尊敬している高橋大輔さんのように表現力や魅せるスケートにより重点をおいている選手と言えます(宇野昌磨 浅田真央に見出された小さな天才)。
もちろん宇野選手のジャンプの才能も物凄いですしバランスの取れた選手ですが、二人の目指す地点が違うんですね。ということで、現在の成績は抜きにしてスタイルの近い山本選手が羽生2世と言われているわけです。
羽生選手の活躍の後を追って、二人の個性的な若手が切磋琢磨することで日本男子フィギュアはますます盛り上がるんじゃないでしょうか?オリンピックに向けて楽しみです!