インドネシアの中部ジャワ州にあるスマランという都市に、突如”虹の村”が出現しました。わずか1ヶ月たらずで街並みが一変。その理由とは一体なんでしょうか?
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カラフルな街カンポンペランギ
インドネシアの中部ジャワ州の州都スマラン。その一角に突如出現した虹の村が”カンポンペランギ”です。
カンポンとはビレッジ(村)、ペランギとは虹という意味です。
まさに意味どおりの街並みですね。
この光景は約325軒の家をペイントして作られました。それもわずか数週間で完成させたというから驚きです。
虹の村誕生の背景
カンポンペランギは以前は荒廃したスラム街でした。
美しい木々が生えているものの、経済的にも貧しく、ボロボロの漆喰や赤壁の家々が建ち並ぶ、お世辞にもキレイとは言えない街並みでした。
そこで市はある経済対策を試みました。
それはこの村落に隣接するフラワーマーケットを改修して観光客を呼び込もうというものでした。
そして96億ルピア(約8,000万円)を費やして改修した市場が2016年12月にめでたく完成しました。
ですが、マーケットの隣にある荒んだ村の風景によって、立派なマーケットの経済効果の足を引っ張るかたちになりました。
そんな状況を危惧した市議会は、さらに30億ルピア(約2500万円)かけて村を改修するプランを打ち出しましたが、予算もなく、資金集めも難しいと判断したため、3億ルピア(約250万円)をかけて街をペイントすることにしたのです。
必要な作業は”塗る”だけだったので、1ヶ月にも満たない間に村は生まれ変わることができました。
インスタ投稿数がヤバい!世界のメディアから注目を浴びる
まさにフォトジェニックな虹の村の写真はSNSでまたたく間に拡散されました。またイギリスや外国のメディアがこの村の変化を話題に取り上げたこともありカンポンペランギの知名度は急上昇しています。
村が変身してからまだ間もないというのに、インスタグラムでは「#kampungpelangi」というタグ付けされた写真だけでもすでに3600枚超えの投稿があります。ということは数か月前まで寂しいスラム街だったこの村に短期間に数千、いや万単位の観光客が訪れている可能性があるということです。
カンポンペランギのインスタ画像がおしゃれでカワイイ
ポスターや写真集などの撮影にもってこいの雰囲気です。
街は虹色に塗られているだけでなく、柄やイラストなどが施されていてアーティスティック。
壁画で遊ぶ事もできます。
観光客が増えた結果
観光客の増加は経済的にも村に恵みをもたらしているようです。たとえば観光客に飲み物を売るなど新しいビジネスも生まれています。
そして美しい街を維持しようと、住民たちは自主的に街の清掃を行うようになったそうです。
現在は近隣からの観光客が大半のようですが、今のペースで知名度が上がっていけばもっとたくさんの国から観光客が訪れるはずです。
もちろんペイントだけで全ての問題が解決するわけではないと思いますが、村が、そして地域が前身するための大きな一歩であることは間違いないでしょう。
上は村の住民の方々だと思いますが、とても幸せそうな様子ですね。
この笑顔が村の状況を物語っているのではないでしょうか。
おまけ:カラフルに生まれ変わったスラム街たち
ヴィラ・クルゼイロ(ブラジル)
パチューカ・パルミータス地区(メキシコ)