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羽生結弦・大躍進のカギは4回転の脅威の成功率と加点の高さにあった

time 2016/03/30

羽生結弦・大躍進のカギは4回転の脅威の成功率と加点の高さにあった

男子フィギュアスケートの絶対王者・羽生結弦選手。高難度のプログラムのカギは安定感のある4回転ジャンプ。流れるような美しい4回転にはどんな秘密が隠されているんでしょうか?羽生結弦の強さの理由。

新時代の扉を開いた羽生結弦

2015-16年シーズンは羽生結弦選手にとっても、男子フィギュアスケート界にとっても実に意味のあるシーズンになりました。

御存知の通り羽生選手は330点台という誰もが夢にも思ってなかった大台に到達しました。羽生選手の独壇場とも言える現在の男子フィギュアですが、彼のここ数年の活躍によって男子選手全体が刺激されて、ジュニア世代を含めて男子フィギュア界全体がレベルアップしています。

今季は羽生選手に勝つために他のトップ選手たちも4回転を入れる入れないではなく「何回・何種類の4回転を”確実に”跳べるか」を競うようになり、同門のハビエル・フェルナンデス選手も300点超えを達成。パトリック・チャン選手、ボーヤン・ジン選手、宇野昌磨選手などもそのボーダーを超える日が間近に迫っている予感がしています。

羽生結弦選手の技術から彼が偉業を成し遂げた理由を紐解いてみました。

大躍進の秘密は成功率74%の4回転ジャンプ

羽生選手の2015-16シーズンの4回転ジャンプの成功率は74%(世界選手権除く)。あれ?もっと高確率でバンバン跳んでいたような気がするような・・・

確かにNHK杯とグランプリファイナルの印象が強いため、もっと高確率に感じますがシーズン序盤は波に乗れずジャンプが決まらなかったためこの値になっています。とは言えこの確率ですらかなり高いんですよ。

例えばトリプルアクセルの成功率でも男子選手の中でこの確率を上回るのは限られた一部の選手だけです。ちなみに浅田真央選手のトリプルアクセル成功率は25%程度とも言われています。

羽生選手がここまで高確率で4回転ジャンプを決めることができるのはジャンプの質が非常に高いからです。

4回転でGOE3点(満点)をとれる羽生結弦のすごさ

羽生選手はグランプリファイナル2015で、選手の中で唯一4回転の単独ジャンプやコンビネーションジャンプでGOE(出来栄え加点)+3を獲得しました。世界トップクレベルの選手たちとはいえ4回転ジャンプでGOEに満点がつくことは非常に難しいことです。羽生選手のジャンプはどういう点が秀でているんでしょうか?

ジャンプの質が高い理由

http://www.afpbb.com/

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羽生選手のジャンプは空中姿勢が美しいのが特徴です。脇をギュッと閉め、まるで棒が回っているかのように軸を細くして跳ぶことができます。通常、軸が細くなればなるほど回転スピードはアップしますが、そのぶん遠心力に負けない筋力も必要です。羽生選手はジャンプを跳ぶのには理想的な細身体型ですが、ただ細いのではなくスピードに負けない筋力も兼ね備えています。

羽生選手の4回転がいかに高速かが分かる興味深いデータがあります。

http://slide.sports.sina.com.cn/

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4回転の申し子と言われているボーヤン・ジン選手と羽生選手の4回転ジャンプを比較すると、滞空時間は一緒なのにもかかわらず、ボーヤン選手が2回転している間に羽生選手は3回転しているんです。つまり羽生選手は1~3回転はものすごい高速で回り、残りの1回転でスピードをゆるめて余裕を持って回っているということになります。その余裕によって安定した着氷が可能になるわけです。(2016/2/7「スポーツ酒場語り亭」より)

また羽生選手のジャンプは幅も高さもあるので、ジャンプのスピードコントロールと相まって”流れるような”、振付に溶けこむジャンプを跳ぶことがでるんです。

100回跳べば100回同じジャンプを跳べる実力

羽生選手のジャンプの質の高さは分かりましたが、それ以上にもっとスゴイのはクオリティの高いジャンプを量産できることです。驚くことに羽生選手はどの試合においても同じプログラムにおいて、ジャンプを跳ぶタイミング、そして踏み切りから着氷までの時間がほぼ同じなんです。

同じようなジャンプを跳ぶというのは、ジャンプ以前の動作はもとより、呼吸数から統一しないとできないんだそうです。そういう意味では緊張したり興奮状態になりがちな本番において、このことがいかに難しいかがよく分かりますよね。

全ては努力の賜物

羽生選手の4回転ジャンプについて話してきましたが、今シーズンの羽生選手大躍進の要因は、その完成度の高い4回転ジャンプを現時点で自分ができる限界までプログラムに組み込んだことです。また、ジャンプのみならずスピンやステップなどさまざまな要素も昨シーズンよりも難易度を上げました。

そして羽生選手はそんな高難度のプログラムをほぼ完璧に演じるレベルまで仕上げたためにあそこまでの高得点を獲得したんです。もし羽生選手が今シーズンのプログラムを完璧に演じた場合、満点は339.44。実際のスコアが330.43。つまり、まだ伸びしろはあるとはいえ、97%以上の(ほぼ完璧な)完成度だったということです。

そこに至るまで、羽生選手は一日に何度も曲をかけて通し練習を積み重ねました。元日本代表の本田武史さん曰く、一回の通し練習は3Kmをダッシュで走ったぐらい疲労するそうです。そんな練習を繰り返して、羽生選手は4回転ジャンプはもちろん、細かい指先の所作、呼吸数に至るまでをも体に刷り込んでいったんですね。

初めて300点超えを達成した2015NHK杯で「血の滲むような努力をした」と笑顔で語っていた羽生選手を思い出しました。

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